• 2022年05月10日(火) 07:00

    「納豆」の名前の由来

    納豆はどうして「納豆」と呼ばれるようになったのでしょうか。

    「納豆」という文字が最初に文献に出てくるのは平安時代のことです。それは、当時の大衆芸能や庶民の生活などを描いた.藤原明衝作の『新猿楽記(しんさるがくき)』の中に登場しています。もっとも、ここでいう納豆とは、塩辛納豆だったといわれています。塩辛納豆というのは、煮た大豆を麹(こうじ)菌で発酵させ、塩や香料などを加えて乾燥させたもので、糸を引かない納豆のことです。

    塩辛納豆は別名、寺納豆とも呼ばれるように、もともと奈良時代に、唐(現在の中国)に留学したお坊さんによって日本に伝えられ、寺院で作られることが多かったそうです。そのため「寺の納所(台所)で作られたので納豆というようになった」と、江戸時代の『本朝食鑑(ほんちょうしょくかがみ)』には書かれてあります。

    ほかにも、桶や壺に納めて貯蔵していたからとか、神様に納めた豆だからとか、さまざまな説がありますが、「納所で作られた豆」で「納豆」という説が有力になっています。
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